軍用地ってなに?
沖縄の米軍基地や自衛隊基地・那覇空港地のことであり、近年、投資目的や相続税対策などで注目されています。
沖縄の軍用地は、民間(個人や法人)の所有している土地が多いため、国がその所有者から土地を借地し、使用しています。
沖縄県では、国は借地料として、年間約900億円を、毎年8月頃に1年分の借地料として、地主(所有者)へ支払われています。また、翌年3月頃には、値上がり分(前年12月決定)の借地料が支払われます。
【年間借地料】
年間借地料は、毎年国(防衛施設局)と沖縄県軍用地主連合会との間で話し合って決めています。現在の所、軍用地の施設によって異なりますが、平均して1%の複利で上昇しています。
また、所有者に発行される『土地賃貸料算定調書算定調書及び土地明細書』で、軍用地の所在や、1㎡当たりの単価、年間借地等を確認します。
【倍率】
軍用地の取引基準となるもので、施設や立地等条件によって変動し、人気のある施設や返還予定のない施設では、倍率が高く、返還が予定されている地域では、倍率が低くなります。ただし、返還後の土地利用(区画整理等)次第で、資産価値が上がることもあり、購入するお客様も多くいます。
【売買価格】
○軍用地の売買価格は、 年間借地料×倍率=売買価格となります。○土地面積150㎡で年間の借地料270,000円、倍率が50倍の場合、
270,000円(年間借地料)× 50倍(倍率)= 13,500,000円(売買価格)となります。
【軍用地購入】
軍用地は、基地内なので現地を確認することができません。よって、登記事項証明書、公図、併合図、航空写真、土地賃借料算定調書及び土地明細書で確認し、公募面積での取引となります。
【地主会について】
所有者は、所有軍用地が所在する市町村の地主会に加入します。地主会会長に借地料の請求及び受領に関することなどの代理権を与える委任契約を行い、毎年の借地料は地主会から振込されます。
任意加入ですが、会報での情報提供や軍用地主向けセミナー、土地連共済融資などのサービスを受けられることから、多くの軍用地主が加入しています。
【軍用地投資のメリット】
- 借地料のやりとりも国と直接行うので、一般的な投資のように手数料や管理費などを支払う必要がなく効率的な投資物件と言えます。
- 借地料が毎年値上がりし、複利的に増えていきます。 年間借地料は、現在のところ毎年複利で約1%ずつ値上がりしています。 (値上がり分の精算金は翌年3月頃支払われます)
- 不動産投資特有の自然災害や空室リスク、資産価値の減少などがほとんどありません。
- 軍用地は安定的な収益が期待できるため人気が高く、売りに出しても買い手がつきやすいため、換金性が高いです。
- 軍用地は公用地として評価されるため、一般的な民有地よりも「相続財産評価額」の評価が低く設定されています。同時に借地であることからその評価額からさらに40%削減されるため、相続税対策としても有効に働きます。
- 一般の土地と同様に分筆することができるので、売却や担保物件としても状況に合わせた活用ができます。
【軍用地投資のデメリット】
デメリットがあまりないように思われるかもしれませんが、購入後、下記のようなリスクが全くないわけではありません。
- 一番のリスクは基地が返還されることです。しかし、その後の土地利用次第で資産価値が上がることもあります。
- 家賃収入のように毎月の収入が得られるわけではありません。
- 軍用地はその用途から、土地を所有しても一切の使用・立ち入りが禁止されます。そのため、購入を検討している段階でも見れるのは見取り図くらいで、実際にその土地を確認したりはできません。